〜 死にものぐるいのぞうさん 〜
2018年 5月
前にも書いたと思いますが、私の母は(も?)ずっと保育者でした。
告別式の時、園児が「エンチョー先生天国に行っても元気でね」と言ってくれたときには涙がとまりませんでした。
(わたしのときにはスミマセンがたみこさんせっかく天国(地獄か!?)に行ったんだからゆっくりしていてねと言ってもらえるとたすかる…)
そんな母は、いつも疲れていて、食事などはお弁当も含めてほぼ人まかせだったようです。
おかげで私は、母の作る料理をいつのまにか覚えるということもなく、結婚した時は煮物と言うものを同僚から初めて教えられて挑戦したのがはじまりでした。
しかし、その頃の小さな小さなキッチンに、おいしくできたハズの鍋の上のたなに、せっけんがおいてあったのです。
悲劇はその時、起こりました。
スルリ。
ポチャーン。
とお鍋の中に!!
こんな強い私でも、石鹸が入った煮物のお鍋の前でボーゼンと立ちすくみ、泣き崩れるしかありませんでした。
今でもあのときの、ギャ〜〜ア!!という自分の悲鳴を思い出します。
我が家の娘(ちなみにシングルマザー)は、4歳になろうとする娘を保育園に通わせて、バリバリと楽しく仕事をしています。
が、この人もお料理は苦手。夕食は孫かわいさのジイジが担当で乗り切りますが、朝はなんとかせにゃなりません。
100円ショップでフリフリするおにぎりづくりを買って、フリフリしてふりかけまぜて、おにぎりを。そしてこの間からノリを貼り付けてしまうという暴挙(!?)にでました。
本人はかわいく顔をつくったつもりらしいのですが。
孫は、そんなのりがはりついたちいさなおにぎりを、よせばいいのにことのほか喜びました。そこで火がついた娘は、100円ショップ(また!!)ののりをパッチンして形をつくるのを買ってきました。
ところがどっこい、あまりに細かくて、小さくて、手に負えない。
「仕事におくれる!!」
「紙切り職人のようにハサミで切る方がマシだ!」と言い、
毎朝のりとはさみを必死にふりまわしてなにか切っています。
「これなに?」
「見たらわかるでしょ?象だよ」
「これは?」
「あっかんべーしているこども!」
幼稚園のお弁当の時間をのぞいてみると、まぁ〜なんてステキな。キャラ弁っていうんですか?
どうやってつくるのか、いくら頭をかしげてもわからない。
「上手!ステキ!」と感心するしかない。
私もお弁当作りは苦手だったけれど(血筋!?)
今朝ものりとハサミをふりまわしておにぎりを作っている娘に「これはなに?」と一応聞いて見た。
「死にものぐるいの象さん!」
死にものぐるいの娘がつくる死にものぐるいの象さんのおにぎり…。
他人事の私は、お母さんって…本当に大変と心から尊敬します。
お母さんたち、がんばりすぎないでいいからね〜。
死にものぐるいにならないでねぇ。
と、エール。