たみこさんの部屋

〜 崚太くんがやってくる 〜

2018年 7月

われらの西小岩幼稚園には、藤田さんをはじめいろんな人が関わってくれている。
先日実習生の巡回でやあってきた◯△短期大学の先生が、文庫を見て「藤田浩子コーナー」があるとびっくりたまげていた。

私は藤田先生の講座に出て勉強したこともありますし、書かれた本も何冊か持っています。
 え!? 1週間に一度いらっしゃる!?
 なんてゼータクな!!

こんな時の自分の顔を鏡で見てみたいものだ。ハナタカダカっていうんですか? 自慢タラタラっていうんですか?

とにかくすご〜く気分がいいです。

そして、我らの園には発達につまづきのある障がい児といわれる子達もいまして、月に1回お母さんたちは集まっておしゃべりする日があります。その時来てくれるのが、藤田さんの子分?弟子?友達?そんなもののひとりの、大江さんです。

大江さんには重度の脳性マヒのお子さんがいらっしゃいます。
どんな障がいがあっても、みんなと同じ場で育って学ぶんだ! それが本人のためにもなるし、強くてやわらかな社会を作っていくにちがいないとの思いで、崚太君を育てて来ました。

今、崚太君は大学を卒業して、障がいのあるなしに関わらず普通の暮らしの幸せをみんなに届けようと活動しています。
そんな活動の一つに、小学校をまわって、自分の障がいのことや生活のこと、時には車椅子を見せたり、さわらせたり、トーキングエイドを使って質問に答えたり・・・があります。

西小岩幼稚園にもぜひ来てもらいたい! と、お母さんにお願いして来てもらいました。
子ども達は、立派な(?)電動車椅子に興味シンシン…。今にも乗らせてもらう勢いでした。
そして、卒園する前、年長になったら崚太くんをおよびして、「授業」をやってもらうことにしました。

ここの幼稚園の子ども達は、崚太くんをまっすぐに見つめ、
お母さんが示す崚太くんの暮らしのイラストを見つめ、話をじっと聞きます。

質問コーナーもありました。
子供達から素朴な質問が出されました。

どうやってごはんつくるの?
どうやってごはんたべるの?
おふろはどうやってはいるの?
などなど

崚太くんはトーキングエイドを使ってニコニコとひとつひとつの質問に答えてくれます。
機械の声なのに、あたたかく子ども達の耳と心に届いているようでした。
答えてくれるのに時間がかかりますが、それを待つ時の子ども達の静かな表情が、とても美しい、と感じました。

大江さんは崚太くんを心から愛し、いつくしみ、育てています。
時には崚太の障がいについて過激なことを言っては笑うのですが、腎移植を終えた直子先生のお子さんについても、この幼稚園の子どもについても悩んで相談すると「そうだよね〜」と深く受け止めて支えてくれます。

強そうなことを言って、だれよりもケラケラとよく笑うけれど、そんな話をする大江さんの目には、いつだって、いつだって涙があふれているのです。

幼稚園のこの時に、いろんな子がいたこと、崚太くんが来てくれて話をしてくれたことが、きっとこの子達の行く道を豊かなものにすると、信じます。

7月10日 崚太くんがまつ組に話しに来てくれます。

 

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