たみこさんの部屋

〜 ひとりの時 〜

2020年 1月

冬休み。子ども達が来ない日に、ひとりでいる時間。

自分に向かう時間。いろいろなことを思い出します。
そう。私は年をとったのでした。(あたりまえか?)

昔のこと。大昔のことを思い出すことが多くなりました。
どうしてあんなことや、こんなことをしちゃったのだろうと恥ずかしいことや、悔しいことが次々に頭に浮かび、ギャッ! と叫びそうになります。

若かったからというには、あまりに残酷なことがらの数々に押しつぶされそうな私です。

人は、「あ〜あ。私の人生、本当に苦しかった」と思って逝くんだよ。
と聞いたことがあります。

そうかもしれない。

と思ったりします。(弱気な自分)

あと何年、子ども達とともにいて、「たみこさん」と呼んでもらえるんだろう。
(ほら、やっぱり弱気な自分)

こうして、子どもと離れていると、私ってこんなにもヘナチョコなんです。

でも、すごく元気になることだってありました。

あるお母さんと話したのでした。(休みに入る直前のこと)
そのお母さんが言ってくれました。

「たみこさんが、説明会か何かのときに、幼稚園は遊ぶところですって、言ったんですよね。
私もそうだと思って、入園させました。ほんとうにこの幼稚園に入れて良かったと思ってるんです。」

って涙ながらに話してくれたんです。
うれしかったなぁ。ありがたかったなぁ。

入園の時、なかなか慣れないで、楽しそうな顔が見られなくて、職員みんなで考えたし、お母さんと話もした…。
いつも面白くなさそうな顔をして幼稚園にいるその子のことが気になって気になって、本当に慣れるのに時間がかかった。
でも、3年目の発表会で、美しい声でソロを歌った!
その後は調子に乗った私たち職員が「ねぇねぇ歌って!」としつこく頼んでも、はにかんで歌ってくれないけれど、あの歌声と堂々とした姿、思い浮かべると力がわく。

 

去年、3人をのこして病気で逝ったお母さんがいた。

上2人は卒園し、3人目の子が在園中だった。

まだこの悲しみを話すほどの力はないけど、いっしょの学年のお母さん達の支えと献身、そして家族の愛情のなか、最期まで生きようとしていたお母さん。

主任のきみちゃんや私が夕方子どもを送って行くと、ゆっくりゆっくり、玄関まで出て来てくれて、小さな玄関の上がりまちに座り、「ココ、ココ」ととなりに座るようにうながしてくれる。やせた小さな肩がふれる。あったかな、やさしい肩だ。

今日も元気に遊んでたよ。本当にいい子」と話すと、
ウンウン」と嬉しそうに、ニット帽の頭がうなずく。
明日の朝また迎えに来るからね」と元気に言ってドアを閉めると、こらえていた涙がいつもあふれた。

どんなつらい治療にも耐え、最期まで子どものそばにいようとした、あの姿に、みんなが、生きるということを深く、深く学ばされた。

 

そして私たちは、これからもずっと残された子ども達を支え続ける覚悟を決めたのだった!

 

なあんだ。私へこたれてる場合じゃないじゃないですか!?
年をとったからってがっかり、しょんぼりしてる場合じゃないじゃないですか!?
私も、子どもに支えられながら今年も何とか力を尽くさなければ!
子どもの未来を守ろうとする大人として、しっかり立っていなければ!

そうだ!
頑張れ自分!

 

今年もよろしくお願いします。

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