〜 ピアス 〜
2021年 9月
先日、私が昔、実家の保育園に務めていた頃の同僚に会いました。
「マァ〜 なつかしい」
「久しぶり。お変わりなく」
とのごあいさつ。そばにいた私の娘がその人をみて
「アッ!! ◯◯先生だ!」もう40歳をと〜にすぎているわが娘の子どもにもどったような声。
今は自分の子どもを自分の園に預けることはできませんが、昔はおおらかで預けてもよかったんです。
保育園で会っても「今は先生なんだからね。おむかえに行ったらすぐママになるよ」と顔を合わせてしまった時のセリフ。
なんとも複雑な顔をしていた我が子たち。
すみませんが(悪いけど)私はもちろん我が子たちはかわいく、一生懸命育ててはいたのですが、保育の仕事とその学びが楽しくてならない時でもありました。
朝からほぼ6時まで、めいっぱい預けて、一生懸命仕事をする日々でした。
そんな長女がなつかしい元同僚にうれしそうに話していました。
「◯◯先生! ひさしぶり! 私、お昼寝のときに眠れないで、先生の耳たぶをず〜っとさわっていたのよ…それで、あまりさわりすぎて、ピアスをひっぱってこわしてしまったことあったねえ。覚えてますかぁ〜」
◯◯先生は、おしゃれで、もう40年以上前にはピアスをなさっていたんですねぇ。
「そうだった? 昔のことだねえ」となつかしそうに離す元同僚の◯◯先生。
続いて話してくれました。
「私たちってね、昔のことだから、子どもってただ預かっていればいいのかな、と思っていたのよね。その頃、ミヤギシセンセ(私のコト)が来てくれて、ものすごい勢いで、保育が変わったのよ。子どものこと話そうよ、遊びっていうのはね、絵本を読むってことはね、って。
私たちも一生懸命だったし、なにより子どもといっしょに変わって成長していけるってことが、楽しくて、面白かったねぇ〜」
と言ってくれたのです。
実は、会った場所は悲しみの集まりだったのですが、その頃のことがくっきり浮かびました。
「本当に・・・楽しかったねえ。
みんなでいっしょに勉強したねぇ〜」
と
悲しい時なのに、ポワンとあったかな涙が胸に広がりました。
私はずーっと保育者だと、しみじみ思ったことでした。