そうだん
2022年4月8日
久しぶりに高校からの友人と食事に行きました。
お互い後期高齢者。
感染症対策も万全。
そこへ酸素ボンベを引いて笑顔でマスターがやってきました。酸素をひいても主に動くママを支え、お客さんと話すのをなによりも楽しみにしているこの方は、なんと昭和18年生まれ。
マスターは、一息つくために座ったところで、もう歌いはじめました。
♫ みんなで丸くすわりましょう
明日のそうだん うれしいな
野球をしようか 魚つり
それとも山に きのことり ♪
(作詞:勝 承夫 作曲:平井保喜)
な・・・なんだろう。
この小学唱歌っぽい歌は?
マスターは陽気に「この歌しらない? オレこの歌学校で習ったことな〜んにもおぼえてないのに、、、勉強もね、、、この歌だけは覚えてるんだよ。 知らない?」
戦後うまれのわたしたち(!)
・・・わからない・・・。
昭和22年って、戦争終わってすぐの頃ですね。
どうにも気になって調べてみました。
昭和22年、小学校2年生の歌とありました。
この歌詞を読んで考えました。
この頃の子ども達は、どんな歌を歌っていたんだろう。
どんな学校生活で、どんな学びがあったのだろう。
先生は子どもにどう向き合っていたのだろう。
「丸くすわって相談する」なんて、あったのだろうか
日曜日の楽しい計画を話し合うことって、あったんだろうか。
真っ黒に塗りつぶされた教科書から、
民主主義が大切にされる時代への、変化の時。
教育者と言われた先生達は、
きっと子どもと楽しく笑って学び合う日をずっと願っていただろう。
戦争が終わり、大切な教え子を守っていくことの思いをこめて、希望にもえて、この「そうだん」の歌をつくり、子どもと歌ったんじゃないだろうか…。
マスターは言う。
「オレ、この歌しか覚えてない。でも、誰もこの歌知らないっていうんだよ」
私も知らなかった。
でも、この歌にこめられ、託された思いが、胸につき刺さる。
大人も子どももま〜るく座って 相談しようよ
話し合おうよ 明日の希望を語ろうよ
というせつないほどの思いを、私は受け止めました。
戦争には、いい戦争も、正しい戦争もありません。
ウクライナでおきていることを、どうしたらいいのでしょう。
人間って、なんだろう。
希望を子どもへと語る仕事の私達は。