たみ子さんの部屋

西小岩幼稚園の園長、たみこさんが日々の徒然や、思い出や、愚痴をそっと語ります。

〜 「釈然」 ─ シャクゼンとしない私たち 〜

2017年 11月

私たち職員は、みんな安月給です。

なかには4人も子育てをしている強者(つわもの)もいます。
ローン組んだり、まだ学費にヒィーヒィー言っている人たちも。

何があるかわからないから、少しでも貯金をしなければなりません。
ところがこの低金利時代。どこで貯金すればいいの!? と無い知恵をしぼり、みんなでやっているのが「私学共済」というところの貯金です。
少しは利子がいいらしい…でも、これってイザというときお金をおろすのが大変。
すご〜く時間がかかる。

だから、私なんかはイザというときは、
他から色々かき集めて、まだ一度も下ろしたことがない。

だって、すぐお金いるときには間に合わないんだもの。

だからここだけの話、たまりました。

でもね、
これは幼稚園の耐震のためにぜ〜んぶ使うのよ。

アァ〜ア。

私の老後はど〜なるの!?

そしてですね。
それを振り込みに行くのが、ひと仕事なんです。
この間はついに忘れてしまい、大変なことになりました。
係になっているマチャトが、
忘れてしまう。ダメだ。誰か、代わって!」と叫びました。
全員忘れることが得意となっているので、誰も返事をしません。

そこで事務担当の、ただ一人冷静で緻密な頭脳の持ち主、パソコン担当、ヒデさんに、
みんなの熱い目が向けられる。

ヒデさん、毎月の振り込みお願いできないかしら…

なかなか「ウン」とは言わないヒデさん。
いろんな人がいろんなことを言って頼みまくるが、ダメ。
どうして嫌なの?」と理由を聞いてみる。

すると「僕は貯金してないんです! 貯金してないのに、どうして振り込みだけ行かなきゃならないのか、シャクゼンとしません。

し、シャクゼンとしない?
このあと、ようやく拝み倒してヒデさんが振り込みに行ってくれることになりましたが、
釈然としない」と答えるのが、ただいま絶賛流行中!

我が幼稚園には中国から来た子ども達が何人かいます。
まだ日本語を上手にしゃべれない子も何人かいます。

ある男の子が、事務室前の階段下で、くやしそうに涙をためてたたずんでいます。

どうしたぁ?
と近よると、身ぶりで誰かに肩を叩かれたよう。
誰だ?だれだ?」事情を聞きに行く相手も言葉が…もう一人現場にいた子は、年少からいるし「ねぇ、きいてみて!」と頼むと、「ボク。チュウゴクゴわからない

えっ」(私、釈然としない…)

なんとか身ぶり、手ぶり、日本語で話を聞く。
そしてとりあえず(?)「言葉で言おうよ。たたかないようにしようよ…」と話す。
もう一度、日本語がしゃべれる子に「ねえ、たのむよ。中国語で言ってよ」とたのんでみるが、「…ボク、日本語しかシャベレナイ。中国語しゃべれない…
ふぅ〜」(なんか釈然としないなぁ私)

保育者として、このトラブルの解決でよかったのかなぁ、
くやし涙を流していた子に、よりそえたかなぁ。
相手の言い分もあったんだろうなぁ〜。

でもまぁ、果敢(かかん)にそのトラブルを解決しようと飛び込んでいった、そのたみこさんの気持ちはつたわったかなぁ。最後にはみんな笑ってたもんなぁ〜。と、なんだかやっぱり釈然としない私の横を、「振り込みに行ってきます」とつぶやいて、ヒデさんが釈然としない顔で出かけていったワ。