たみ子さんの部屋

西小岩幼稚園の園長、たみこさんが日々の徒然や、思い出や、愚痴をそっと語ります。

〜 絵本 〜

2018年 3月

私の卒論が唯一の「優」だったっていうのって、言いましたよね?
(自慢です!)

児童文学!
実家の保育園で、読み聞かせをしたことを、実践的に書いたのでした。

私は学校の成績は悪かったけれど、本を読むことだけは好きでした。
「本ばっかり読んでないで、勉強しろ!」と、何度母に怒られたことか。

そして、実家の保育園での読み聞かせから、子どもに向かって本を読むことの楽しさ、喜びを知りました。すっかり気を良くした私は、その頃父の保育園だけでなく、母が園長をしていた幼稚園にも出かけて行き、絵本を読ませてもらいました。45年以上も(!!ぎゃ!!)前のことです。

幼稚園には、紙芝居や本はありましたが、私が嬉しく子どもたちに読んだのは、忘れもしない、「おおかみと七匹のこやぎ」(こどものとも)その時の子どもの様子は、未だに胸にあります

 

瞳が輝き喜ぶ。
興奮する。
心も身体も本に引き込まれて行くさまが…。

 

何度も読みました。
そして、ひとつひとつのクラスだけでなく、他年齢、他クラスにもリクエストされて、読みに行きました。(たしか、園にはその本がなくて、私がおこづかいで買った私の「七匹のこやぎ」の本だったと思う)

すると、年中クラスの女の子だったと思います。(見よ! 私のこの記憶力の確かさを!)その子が、泣きそうな顔で「七匹のこやぎの本、お家でも読みたい!」と言ったのです。
そうしたら、他の子達も「七匹のこやぎの本がほしい!」と言いました。

どうしよう、と考えた私は、園長である母と相談して、どうしてもほしい子はお家の人がいいと言ったら買うことにしよう…と。

その話を子どもにすると、マァ〜大変! 多分30冊か40冊とか注文が来たのです。

そしてある日、スーツ姿の2人の男の方が、「七匹のこやぎ」の本を抱えてやってきました。「こどものとも社」の人でした。なんだか知らないけど、急に葛飾区の幼稚園から「七匹のこやぎ」の本が大量に注文されたので、びっくりして、ごあいさつかたがた来てくださったのだそうです。

 

絵本を抱えた子どもの嬉しそうな顔。

 

そうか。

40年も前のことだから、幼稚園でもお家でも、子どもといっしょに絵本を楽しむ、ということが根づいてはいなかったのかもしれない。

ここ西小岩幼稚園の子どもたちは、藤田さんのおかげもあって、文庫のお母さんのおかげもあって、職員たちの本好きのおかげもあって、いつも絵本がそばにあります。

保育園の園長だった私の姉が体調を崩し、東京の家をたたんで長野へ行きました。
お家の片付けをしに行ったら、絵本がたくさんありました
英語やハングル語も含めての、美したくさんの絵本。
こそっと(ここだけの話にしておいてください!)大切に持ち帰り、今ここの幼稚園にあります。

一冊ずつ表紙をめくっていくたび、姉のことを思い、ちょっと泣きます。
遠くにいてもこの絵本でつながっていると思います。
この幼稚園の子たちとも…。

だからさびしくないんだよ。

と、自分に言います。