たみこさんの部屋

〜 桜が咲いた 〜

2018年 4月

幼稚園の桜が咲きました!

この頃は入園式にはもう散ってしまっていることが多いのですが、
今年は桜保育にはまにあいました。(良かった良かった)

いつも目に浮かぶのは、4月(昔だから4月)
桜ふぶきのなか、わたり廊下になぜか寝転んでいる子。
その横で職員が座っていて、園庭で遊びまわる子たちを笑ってみていて、私ったら、おぼえているんです。

ゆっくり大きくなるタイプの子でした。
ここの幼稚園ではちっとも緊張もしてないで、渡り廊下でねころんで空を見たり、桜を見たりくつろいでくれて、その子の姿を見ると、みんながホッと肩の力をぬいてくつろいだ気分になったものでした。

ある日、子どもが帰って職員たちと庭を掃除しながら、
その日の子どもの様子を話している時、その子のお父さんが亡くなったという知らせが。。。

近所だったので、びっくりして飛んで行きました。
お母さんは青い顔をして奥に座って、主におばあちゃんが対応してくれました。
一生懸命仕事をする、真面目な息子さんだったと言っていらっしゃました。
精神的にきつくなり、ずいぶん頑張られたのでしょう。
会社へいくと出かけて、高いところから身を投げられたという。

どんなにつらくて、どんなに心残りだったことでしょう。
黙って座っているお母さんのヒザによりかかっては、ふしぎそうな表情を見せるその子に、私は声をかけられませんでした。

私たち職員は、なにか、できることはなかったのか。
どうしたらよかったのだろう…。
さんざん悩みましたが、答えは出ませんでした。

お母さんは、いつも話しかけるのをさけるようにしていらしたし、私たちはその子がとにかく幼稚園では楽しくすごせるようにとつとめました。

その子は、卒園して近くの小学校に通いました。
ゆっくりさんだけど、楽しく通っているかしらと気になって気になって。

ある日、1年生の集団が園の前を通りました。
掃除していたほうきを投げとばして、急いでいくと、その子が楽しそうに笑っていて、「あぁ、元気で良かった…。」と。
いっしょにいた担任の先生に、「大丈夫でしょうか、楽しくやっていますか?」とおききすると、その先生がニッコリ笑って「がんばってます! この子は幼稚園でとってもかわいがって育ててもらった! それがよくわかります。」とおっしゃってくださったのです。

そこに集まっていた職員みんな、うれしくてうれしくて、担任だった人がすぐに泣き出して。
みんな「ウワァ〜 うれしいねぇ〜 ありがとう先生!
と涙をふりとばして泣いて笑って…。

でも、その子は結局いつのまにか姑さんのいるお家をお母さんと出てしまったようです。
今、どうしているんだろう。
元気でいるかなあ。

 

桜は満開です。

天国のお父さんなら、その子の姿が見えているはず。

 

見守っていてね。
たのむよお父さん。

 

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