たみ子さんの部屋

西小岩幼稚園の園長、たみこさんが日々の徒然や、思い出や、愚痴をそっと語ります。

〜 さがしものはなんですか 〜

2018年 10月

実習生の先生が巡回訪問にいらっしゃっている時のこと。
ものすご〜くシンケンな顔をして、困った表情を浮かべた年長の女の子達が事務所に入ってきました。

思わず「な、なに? どうした?」と来客中にも関わらずきいた私にむかい、怒ったような口調で言います。

子ども達「ねえ、ねえ、たみこさん! みっこのボールペンしらない?
私「え? みっこのボールペン? しらないよ。どんなボールペン?
子ども達「なんか、黒いのみたい。落ちてなかった?
私「事務所にはなかったと思うけど…
(納得せず、もどる気配なし! 困った。でもこんなにみっこのために探し出そうと頑張っているこの子たちをむげにはもどせないと判断した私)
私「じゃあ、これかどうかきいてきて!
(と、引き出しから黒のボールペンを出してわたす)
子ども達「ウン! きいてくる!
大張り切りで出て行く。
ホッとして、巡回の先生との話にもどると、またバタバタと足音がして、
子ども達「ちがうって! 緑と赤も入ってるボールペンだって!
私「え〜!? じゃあこれは?
(3色ボールペンを引き出しから出しわたす」
子ども達「きいてみる〜!

そして…「ちがうって!」とのやりとりはどこまでも続くのだった…。

巡回の先生も半分あきれ顔だ。

引き出しのボールペンはもうない!
全部ちがうと言われる。
当たり前だ。みっこのではない、私のボールペンたちだ!

それでもあきらめずになんどもみっこと事務所を行き来する子どもたちは、思いなしか人数が増えている気がする。

私は思って、そこにある、猿のぬいぐるみをつかみ、
これか!? …みっこにきいてみて!」とわたす。

子どもたちは一瞬ギョッとしたが…
年長ですねえ。
私の冗談がちゃんと伝わるじゃあーりませんか?

ハッと気づいた顔がパァ〜っと笑顔になり、
おサルのぬいぐるみを持って
これかどうかきいてくる〜!
と嬉しそうに走って行きました。

それから、もちろん玩具や変な袋が行ったり来たりしたのは、言うまでもありません。
子どもの数はどんどん増えていって、事務室には子どもの大笑いする声があふれて…。
巡回の先生も「お、面白い…」とつぶやくしかない。

そして、とうとう「みっこをつれといで! 自分で落としておいてなに探させてるんだ! 私が言ってやる! みっこをつれてきて!

そしてみっこは子ども達に連れてこられたのです。
わ、私はさがさなくてもいいって言ったんですよ!」とむなしく叫んでいる。
とりかこんだ子ども達は、ただただ、笑っている。

巡回の先生、ごめんなさい。
こんな幼稚園に、実習にこさせて、良かったですか?
でも、大好きなみっこがボールペンを探してる。これはみんなでひと肌ぬがねばと一緒に探そうとした子ども達のあの姿は、仲間のためになにかしようとする姿でした。

私もいっしょに、おサルのぬいぐるみくらい、ぼーるぺんがわりに渡してあげないと、女がすたります。

あ〜〜 面白かった!

探し物は、なんですか?