たみこさんの部屋

読書感想

2022年6月29日


私は自他ともにみとめる不眠症だ。(じまんか?)

眠れないってつらい。。。
しみじみとつらい。 「明日仕事できるだろうか」という不安。1、2時間で起きてしまうと七転八倒、苦しいったらない。くすりをのむ、音楽を聴く、そして結局、眠くなるまで本を読むことだと決めた。

いろんな本を読む。主に小説。恋愛小説も得意分野。瀬戸内寂聴さんの昔の小説もなかなかだ・・・。それでも、目が冴えるわけでもなく、よく眠れるということでもない。ただ、夜、この本を読もうと決めておかないと焦る。(準備がなにより大事)

先日来、昔読んだ本を再読することがマイブーム。
夏目漱石の「こころ」や、今は太宰治の「津軽」。

ほんとうに昔読んだっけ?というほど新鮮で、読書家ぶって字づらを追っている私だったよなぁ〜。

「津軽」は、太宰が故郷を旅しての小説だ。歴史や地名にかなりやられて「う〜ん?」読み始めなきゃ良かったか。しかも、眠くもならないし。
それでもゲラゲラ笑えるほどの面白いところもあり、あれから何度も思い出しては笑っている。

そして最後の方の太宰のこの旅の目的ともいうべき、幼い頃の乳母「たき」と会うところでは、眠るどころか、泣いた。

思い出したのだ。

私にも、幼い頃、「たき」がいた。
母は保育の仕事で忙しく、身体もそんなに丈夫ではなく、子育てや家事もこなすことはむずかしく、「仕事」の人だった。
姉と弟のまんなかの私は、「キヨちゃん」という雪国から働きにきたお姉さんにただただなついた。いつもくっついていた。キヨちゃんが夕食の買い物に行く時も、エプロンの紐をにぎってついていったし、なんならキヨちゃんの貴重なお休みの日も出かけるキヨちゃんのあとを泣いてついていった。
かわいそうに、、せっかく一人になれる時間に…(なんてワガママな子だ!)

キヨちゃんの帰省やお盆休みの時は大変だ。
いない、いないと大騒ぎをして、そこらのおとなに「キヨちゃんはいつ帰ってくるの?」と聞いてまわった。
帰ってくるその日は玄関のところにじ〜っと座って戸が開くのを待っていた。
夕方、やっと、やっと、キヨちゃんが帰ってきた。あの時の安心、あの時のうれしさ、涙をふきとばしながら、「キヨちゃ〜ん!」と胸にとびついて行ったあの時の私。

「津軽」でも太宰はタキとようやく再会して、そばに座った時のことを書いている。

「タキのそばでもうなんの不安もなく、まるでもう安心してしまっている」
「うまれてはじめて、心の平和を体験した」
と。

キヨちゃんはいつの間にか、お嫁に行くと言って私のそばからいなくなった。
「津軽」以来キヨちゃんのやさしい、やわらかい笑顔をしきりに思い出す。

そうだ!
私もキヨちゃんに再会する旅に出よう!

 

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