たみこさんの部屋

段取りが悪い

2023年8月28日

暑い!

としか言いようのないこの夏。
台風、山火事、水害、水不足、本当に心をどこに置けばいいのか、迷う。

ある晩のこと。家へ帰る途中の道路に、誰かが座り込んでいる。
アレっ?と思って近づいてみると、おじさんが足を投げ出して、座り込んでいるのです。

どうしましたか?立てますか?」とかけよると、
なんかずっと歩いて、疲れちゃったよ」とおっしゃる。

うでを取って立ってもらおうと持ち上げるも、動きゃあしない。

お家へ帰るんですか?」ときくと、「家は横浜なんだけどね」と。
アララ…遠いですねえ???
(これは・・・もしや、もしや・・・)

歩きつかれちゃってね。どーも、段取りが悪かったよ。腰が痛くてねえ〜
どこかで腰を打ったか?だとしたら救急か、それともやはり、迷ってしまっている人か?ならば??

住所は「横浜」と仰るだけだし、パトカーしかないよなあ、と迷う。
在宅支援の仕事をしている私の長女に相談のTELをしてみる。
彼女がおじいさんにTELを代わって話をしてから、
ママ!(私のこと)、救急じゃないね。警察だね」と。

そのうち、近くの方が出てきてくださって、お水をくださった。
美味しそうに飲みながら、おじさんは、

どーも、段取りが悪かったなあ〜。家は横浜だからねえ」〜」とごきげんでくりかえす。
警察は場所を確認して、「すぐパトカーで向かわせます」とのコト。
おじさんは、「どーも段取りが悪かったなあ〜
私「段どりむずかしいですよねえ〜」など世間話。
(パトカーを向かわせるとは言ってくれたけど、おそばやさんの出前じゃないかと思うほど時間がかかる)

ようやく到着したパトカーからワラワラ降りてきた3人の警官(うち1人は女性)「どーしたの?どこからきたの?名前言える?」など、つめよる、つめよる。
すると、それまでごきげんよく段取りの悪さを嘆いておしゃべりしていたおじいさんの顔がみるみるけわしく変化したのに、私は驚いた。(これは子どもの表情を見続けて50年の眼にちがいない)

おじいさん、コワイ大きなおまわりさん、こわいよね。
言い方も「なんで来ちゃったの!」とか言って、強いよ!
と私はそばでオロオロ。私のこともシミジミききながら、(取り調べかと思うほどの)確認し終わったら「では、どうぞ、もう!これで結構です!!」と帰らされた。

段取りはどうなったのか、なんだか心配でしたが、おじいさんに「じゃあ、気をつけてねえ〜」と明るく声をかけるのがせいいっぱいだった私。

私も段取り良いほうではなくて苦労してるからなあ〜。

もし私がこの先、ウロウロしていたり、道に座り込んでいたら、どうぞ「段取り、悪かったですか?」とやさしく聞いてください。

そして、ひとこと言いたい。

強そうなおまわりさん。
あなたたちも歳をとるんだよ。
あなたたちも、認知症になるかもしれないんだよ。

そこんとこ、考えてね、と。

段取りは大事だけど、

人間は段取りよく歳をとれるとは限らないからね。

過去のたみこさんのへや

4月5月6月7月9月

過去のたみこさんの部屋 アーカイブ