たみこさんの部屋

〜 認知症になるだろう私 〜

2018年 6月

私が30年も認知症の人と家族の会の通信係長(1人!)をやってるって、知ってますよね?

先代園長である伯父が認知症となり、その対応にアタフタしながら仕事をして、子育てをして、かなりパニックにおちいっていたあの頃。
保健所が「認知症とどうかかわるか」の連続講座を開いてくれたのです。

その時いっしょに講座を受けた人たちが集まって、月1回でおしゃべりしたり、ぐちったり、の会を続けています。

興味のある方、どうぞのぞいて!!
今では私たちが介護される側に…。30年ってスゴイよねえ。
継続は力なりを絵に描いた「りんどうの会」(といいます)。

そのせいか、いろんな老人介護の場面にぶちあたります。

これは通信(りんどうの)にも書いたのですが、先日近くの駅ビルで買い物をしていた時のこと。大声で怒鳴りながら歩いている人がいるのです。
なにを言っているのかはっきりわからないけれど、すごく怒っている。
怒りながら、怒鳴りながら、だんだん近づいてきたのを見ると、荷物をたくさん持って、傘をついているおばあさんだ。

ついてくるなぁ〜!
泥棒しようと思ってついれくるんだろう!
あっち行けぇ〜! ついてくるなぁ〜!

と叫んでいた。

えっ?

と後ろを見ると、しらがまじりのおじさんが、少し後ろを静かについてきている。ア〜ァ。
私は思った。おつらいよなぁ。
ハイカイだけでも大変なのに、物を取られる妄想もある人の介護はなぁ〜。
とお察しする。

その男の人は、顔色ひとつ変えずに、ただただ、静かな表情でついている。
泥棒」を通行人その他みんなに知らしめているおばあちゃんとしても、自分のものを取られる心配で多分心が休まらないつらさもあるだろうに…。

私の母も認知症になった。

私も母から、「私の大切にしているダイヤのネックレスしらない?
このタンスの引き出しに入れといたんだけど…」と疑われて、悲しかった…。
でも涙をこらえて「いっしょに探そうね…」と、探したことがある。

(認知症の対応としてはとても正しい…でも悲しい)

伯父も認知症になった。
具合が悪く入院した時、お見舞いにみえた方からのお見舞い金が
退院した時になくなってしまったという。
私が疑われたのだ。
私は切なくて、泣いた。

夫がフンガイして、伯父に「おじチャン、たみこが泣いてたよ…」と言ってくれた。
伯父は…それ以来、なにごとについても、私を疑うことはいっさいなかった。

大好きだった伯父も、ボケたのだ。

だから、きっと私も認知症になるだろう。なるはずだ。

とめても、とめても、幼稚園に向かって歩く私の姿を想像してみてください。

子どもたちのもとへと、一歩でも近づこうとする私の姿を!
こわいけど、楽しみでもある。
うんと手のかかる、迷惑もかかる、意地の悪い、疑り深い認知症になることだろう。

なってやる!!

いちおうみんなに宣言しておこう!

ついてくるなぁ〜!」と子どもたちに言われるかも。
でもついていく。ついてってやる!

 

…というわけで、
江戸川区 認知症の人と家族の会 りんどう
毎月、第4土曜日 1:30〜 西小岩幼稚園にて。
ご興味のある方はどうぞのぞきにいらしてください。

 

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